結局初日は８時過ぎには寝てしまい、目が覚めたのは夜中の12時。外は雨らしい。テレビをつけっぱなしにして、無理やり６時まで寝る。

２日目の朝。ダウンタウンに向かいたいが、バスルートがわからない。ということで、歩いて向かうことに。まあ、バスで15分くらいだったから、歩いても１，２時間だろうという、安易な発想で。でも、水のある風景とは、人を落ち着かせ、それでいて飽きさせない。マイアミのビーチからダウンタウンまで１時間以上歩いたが、まったく飽きなかった。最後の島と本土とをむすぶ橋は、かなり大きくて、歩いて渡れなかったらどうしよう・・と、直前になって不安がよぎったが、問題なし。

ダウンタウンっていうくらいだから、オフィス街で、おしゃれなカフェとかがたくさんあって、優雅に朝食が取れるんだろうな・・・という私の期待をよそに、街はし〜んと静まり返っていた。オフィス街はほんの一角にすぎず、結局私はマクドナルドで朝食をとることになる。ところが、このマックのブリトーがなかなか美味い！　マックを選んで正解だったかも。

ご飯のあとは、街ぶらぶらってことで、ベイサイド・マーケットプレイスへ。10時オープンのところ、少し早く着いてしまったので、海辺のベンチで昼寝をしてると、へんなあんちゃん集団に声をかけられて起こされた。「そんなところで寝てると危険だぞ」っていうようなことを言っていたが、何が危険か良く分からん。

肝心のベイサイド・マーケットプレイスは、フードコートもあり、個性的な店が集まっていてなかなか楽しめた。

思った以上に街に日本人はおらず、働いている人も、観光客も西洋人ばかりだった。（ここにも、華僑は当然進出しているが。）で、驚いたのは、「アメリカ人は英語を話す」っていう常識を打ち砕かれたこと。なんと、この街では、英語を話す人より、スペイン語を話す人の方が多いみたい。まあ、アメリカ大陸のほとんどはスペイン・ポルトガル語圏だからねえ。

観光をするつもりもないし、ビーチでぼおっと読書をしていると、目の前に不思議な集団。どうやら空手の練習をしているようだ。しばし見学した後は、日本語の新聞を買おうと、ガイドブックに出ていたお店に向かった。その店は、マイアミビーチとダウンタウンを結ぶ、J.F.ケネディ・コーズウェイの中央にある島にあり、市の中心部から少し距離があることを除けば、なかなか素晴らしい環境だった。店は、マンションのような建物の１階にあり、さびれたコンビにといった感じ。海外ではお約束の、レンタルビデオ（日本のTV番組）もあり、日本食、日本のお菓子、そして日本語があふれていた。（あ、溢れるほどでもなかったかも。）

そこで、日本語のフリーペーパーを何種類かもらい、日経新聞を購入。最近朝日も読売も、文字が大きくなりすぎで、情報量が少ない。やっぱり時間をかけてじっくり読むには日経がいい。

ホテルに戻り、明日いく予定のアウトレットモールまでの足を確認すべく、近くの別のホテル（こっちの方がゴージャス。）へ。フロントデスクで、９時にシャトルバスがくることを確認した。

昨日のホテルマンの話だと、アウトレットモール行きのシャトルバスは、当日しか予約が出来ないらしい。なので、９時のシャトルバスに乗るために、８時30分にホテルに出向き、シャトルバスの予約をしてもらう。（泊まってもいないのにずうずうしくも。）

で、そのスタッフが、ロビーで待て。というので、予定時刻の９時までロビーで待っていた。９時を過ぎたが、バスは来ない。心配になって正面玄関を出て見ると、大通りを、シャトルバスらしきものが通過していくのが見える。　え？　僕はここにいるのに、行っちゃうの？　スタッフがロビーで待てというから、おとなしく待っていたのに、ホテルの正面玄関まで来ずに、バスは大通りを通過してしまった。　あ、でも僕の勘違いかもしれないし、今日は客が多くて、複数のシャトルバスが走ってるのかもしれないし・・・。と思って、９時15分くらいまで待ったが、音沙汰なしなので、仕方なく別の方法を考えるべく、ホテルを後にし、市バスのバス停へと向かった。

ホテルから通りを１本越えた通りでダウンタウン行きの市バスを待っていると、さきほどホテルの正面玄関を通過したはずのバスがやってくる。もしかしたら、これが本当のバス？と思い、ダメ元でホテルに走った。バスは僕を追い越し、ホテルの正面玄関前で停まった。　20分も遅れてきたの？　それとも・・・・

僕が走って追いつき、バスに乗り込むと、バスの運転手から、「なんでおまえは20分前にここにいなかったんだ？」と言われた。　えー、いたよー、ここに。それも８時30分から、ずっとまってたのにー。と思ったが、一応「I'm sorry.」とか言っておいた。　そう、このバスは、積み忘れた私一人のために、途中引き換えして戻ってきてくれたのだった。バスには15名ほどの客が乗っており、僕のために遠回りをさせられていると思うと、ちょっと気の毒に・・・と思ったが、僕のせいじゃないもん！　正面玄関まで入ってこなかった運転手と、ロビーで待てって言ったホテルスタッフが悪いんだもん！　と責任を他人に押し付けてみた。

僕をのせたシャトルバスは、たまに停まって乗客を拾いながら、マイアミビーチを北上し、約１時間30分で、目的地の「ソーグラスミルズモール」についた。

全米最大級といわれるだけあって、サイズはかなりのものらしい。結局着いたのは11時だったが、帰りのシャトルバスは３時発と６時発の２本のうち、どちらかを選んでほしいといわれた。（あ、ちなみに、シャトルバスは無料ではなく、12ドルもとられた。）　４時間もあれば、全部見終わるさ・・・っと高をくくっていた僕は、結局６時発のシャトルバスに乗ることになる。

入って最初に目にしたのは、スーパーサイズのTARGET（スーパーマーケット）。これだけで、ひえ〜って感じなのに、地図を見ると、これと同サイズのショップだけで、10個以上ある。はじめに発見したフードコートで、早めの昼食をすますと、Polo、Guess、Calvin Klein、 J.Crew、 Banana Republic、そしてお約束のGAPなど、たくさんのアウトレットショップをみて回った。やはりGAPの袋を持った人を多く見かけたが、GAPは明らかにB級品と分かる品物ばかりで、僕は結局何も買わなかった。ハッシュパピーで靴を２足買い、サックスフィフスアベニューで腕時計を買い、本屋で本を買った。

確かに洋服だけでなく、電化製品や日用雑貨などのアウトレットショップがたくさんあったが、本屋までアウトレットショップが存在するとは思わなかった。新品の本が３割引で買えた。（もちろん洋書だけど。）

結局夕方にもう一食し、６時のシャトルバスを待って、ホテルに帰る。外はもう真っ暗。

グレイハウンドでのバス旅を明日に控え、心配性の私は、グレイハウンドのバスディーポをチェックすべく、ダウンタウンに向かう。　ところが、肝心のものは見つからない。駐車場しかない。看板も標識も無い。移転したのかも？　と思ったが、ガイドブックはおろか、観光案内所でもらったMAPまでも、そこの場所を示している。もっとよく探したかったが、「周囲は治安がよくない」ってガイドブックに書いてあり、現に何人かの人に声をかけられ、怖い思いをしていたので、ここは諦めて別の場所のバスディーポ（マイアミに４箇所ある）を考え、空港へ向かう。（ここで、空港まで市バスで簡単にいかれることが発覚。本数も多い。）空港の案内所で、「グレイハウンドのバスディーポに行きたい。」と伝えると、住所と電話番号を書いた紙をくれた。　あ、やっぱり。ダウンタウンにあるバスディーポは、移転していたのだった。

マイアミからキーウエストまでの、国道１号線を渡るグレイハウンドバスは、ガイドブックには、「全米でナンバーワンの人気路線」って書いてある。もしかして予約したほうがいいかも？と思って現地の旅行会社に問い合わせると、「事前予約の必要はないが、出発１時間前に行くことをススメる」との返答。12時のバスに乗るために、11時にバスディーポへ向かう。待合室にはすでに３，４人の人がおり、東洋人学生もいる。（あとで、日本人であることが判明。）そこで、チケットを購入する。往復のチケットなので、帰りの便もそこで確定した。で、後はひたすら待つ。 そして、11時50分にバスが到着。乗車する。乗ったのはたったの４人。　なんのために、１時間前に行ったの？　ってかんじ。

ガイドブックには、「一番前の右側の座席を占拠すべし」と書いてあったが、その席はおばあちゃんにもう取られていた。ダウンタウンをでたグレイハウンドバスは、ノースマイアミ、エアポート、サウスマイアミ、と３つのバスディーポをまわり、２０名前後の客をのせ、アメリカ最南端のキーウエストに向かって走りつづけた。

僕は道中、ず〜っと海の上を走るもんだと思ってたので、海に出るまでの２時間は、暇だった。キーラーゴを過ぎると、両側に海が広がるようになってくる。そして、何度となく、橋（なのかな？）を渡り、そしてまた小さな街が訪れる。そんな繰り返してひたすら進む。

そして時計の針が２時を示す頃、グレイハウンドバスは、バーガーキングの前で止まった。お昼休憩なのだそうだ。休憩って言うのは、日本でいうドライブインのようなところに止まるのかと思ったら、バーガーキング。１商店の前に停まった。客に選択の余地はない。ということは、グレイハウンドとバーガーキングは、提携しているのか!?　そうなると、ちょっと賢いかも。

バーガーキングを出発したバスは、いくつかの橋を超える。長い橋がやってくるたびに、「これが、セブンマイルブリッジなの？」って誰かに尋ねている声が、車内のどこかから聞こえてくる。僕は、地図とにらめっこしながら、セブンマイルブリッジをずっと待っていた。両側に広がる一面の青い海・・・・と思っていたら、右手には、「旧セブンマイルブリッジ」が、つり桟橋として残っており、右側の景色を遮断していた。悔しい。しばらく平坦な橋を渡るが、後半になるとぐっと高度を上げ、一山越えるような形で進んでいく。道中、景色は素晴らしかったが、セブンマイルブリッジだけ特別・・・というほどでもなかった。こんどは是非、サイクリングで通過してみたい。

そんなこんなで、ときはすでに４時。マイルマーカーの数字も一桁になり、国道１号線の終点、キーウエストが近いことを示している。さあて、いよいよ、アメリカ最南端、キーウエストだ!!