車の運転とGDPの関係
先日、自宅から、北京の空港に行くタクシーのなかで、ちょっと考えました。
中国人の車の運転は、自己中で、我先に!我先に!と走ります。
隣の車線の方がちょっとでも流れがよくなると、すぐ車線変更します。
「目的地に早く着きたい!」という気持ちがとてもよく現れています。
しかし、今日の高速で疑問に思いました。
空港行きの高速は、走行車線が100km、追い越し車線が120kmが制限速度です。
なのに、みんな、70〜80kmくらいの速さで走ってるんです。
別に特に混んでいるとか、渋滞しているわけではありません。
ちなみに、追い越し車線の最低速度は90kmです。
走ってる車のほとんどが、日本とは逆の意味で速度違反です。
どうしてだろう?とかんがえました。
1つは、燃費の問題。60〜80kmのスピードで加減速をしないのが
一番燃費が良い走り方だ・・と聞いたことがあります。
う〜ん、街中での運転の仕方を見ると、それは考えられない。
もう1つは、「100km以上で走ったら、危ない」から。
普通、100km以上のスピードで車が走る場合、
それはドライバー同士の「信頼」があって、初めて成り立つのではないか、と。
ところが、中国の運転は「不信」だらけ。
突然、車線変更で割り込んでくる、かもしれない。
普通はありえないところから、人が飛び出してくる、かもしれない。
走ってる車が、突然エンジン故障で止まる、かもしれない。
そんな環境で、100kmオーバーのスピードで走るのは、
怖くて怖くて仕方がない・・・。 うん、これならつじつまが合う。
早く目的地に着きたい、という思いで繰り返すやや無謀運転。
そのおかげで、普通に走るよりもずっと、ずっと、多くの時間がかかっている。
これは、中国中、いろんなところで感じることです。
「私だけが!」と思うその心が、全体にとてつもないマイナスの影響を与えている。
そんな現場を目の当たりにするたび、
「中国が世界有数の経済大国になる」ことは、14億の人口を
もってすれば可能なのかもしれないが、
「1人辺りのGNPやGDPが、日本と同じレベルになる」ことは、
きっと永遠にやって来ない・・・という私の思いが確信になるのであった。
(2008.02.03)
他人との距離のとり方
中国に来て、思ったこと。日本人は、なんて「秘密」が多いんだろう。
中国人は、いろんなことにたいしてオープン。
彼女がいることを隠したりはしないし、関係のない場所でも平気で彼女を連れてきたりする。
友達と遊ぶ約束をして、待ち合わせたら、なぜか彼女と一緒。
「気にしないで」と友達は言うが、こっちは気にする。
また、携帯電話やコンピュータは秘密の宝庫。
他人に見られたくないメールや写真だって入っている可能性アリ。
だから、日本人は簡単に携帯電話やコンピュータを他人に使わせるなんてことはしないし、
ましてや持ち主に無断で使うなんてありえない。
でも、中国人は、わりと平気らしい。
持ち主に断りも無く、友達の携帯をいじるし、
それを見て持ち主は何も言わないばかりか、席を外してしまったりもする。
見られたくない情報は入っていないのだろうか?
私は、無理。
それに、「お金にうるさい中国人」というイメージがあるが、
仲間内では、日本人より中国人の方がずっとおおらかだ。
たとえば友達同士で遊びに行って、人数分の飲み物や切符などを買った場合、
ある程度の金額でなければ、全員からお金を徴収することはほとんどしない。
誰かが支払いをして、それに対して他の人は礼も言わず、当たり前のようにしている。
お金だけではない。他人のために骨を折ることをなんとも思っていない。
私がお金を出してもらったお礼、何かをしてもらったお礼に「ありがとう。」なんて言おうものなら、
友達同士で「ありがとう」なんて言うな!当たり前のことをしただけだ。
と逆に怒られてしまうくらいだ。
他人と自分の間に「秘密」がたくさんあり、
それを「プライバシー」と呼んで自分に閉じこもってしまう日本人に比べ、
中国人はあったかいなあ、と感じた今日この頃です。
(2007.09.03)
中国は契約社会!?
外から中国を見ていたイメージと、
実際に暮してみて感じるイメージは随分違う。
その1つが、「中国人は交渉上手」というイメージ論だ。
確かに上海人はハードネゴシエーターが多いらしいが、
ここ北京には、あまりいない。
それよりも、人を簡単に信用してしまう人が多い。
外国に長く暮らしてきたせいか、相手が商い上手の中国人だと警戒しているせいか、
私は相手の言うことを簡単には信じない。
疑ってかかることも多い。
ところが、私の周りにいる北京の人たちは、
いとも簡単に相手を信用するし、口約束で済ませてしまう。
日常の生活でも、仕事の上でも、である。
仕事の上では、日本人の私が、中国人のスタッフが交わした約束事に注文をつける次第。
先日、家の契約がまとまりそうで、契約書を不動産屋で見せてもらった。
契約って、穴があくまで中身を細かく読むのが当たり前・・と私は思っているのに、
同行してくれた中国人は、斜め読みしかしない。
(ま、自分のことじゃないからかもしれないが。)
当たり前のことしか書いてないから・・って。
さらに、「外国人が家を借りると、家賃の5%の税金が発生するよ。」と言われた。
は?なんじゃ、その法律は?
ところが、その後不動産屋が続けた言葉は、
「だから、(私の通訳をしてくれている友人の)中国人に名前借りて契約しな!」だって。
そしてその友人も、あっさり「いいよ。」
は?おかしくねー?
契約の際に人に名前を貸すってことが、どういうことか、分かっている?あなた達!
と、30分くらい説教をしたくなりました。
でも、聞くと、中国にはたくさんの法律があって、
その法律をかいくぐるために、そういうことは日常茶飯事に行われている・・らしい。
たとえば、地方から北京に来た人は、なんと北京で車を買うことができない。
なので、北京の人に名前を借りて買う。そんなことが日常のあちらこちらに存在するらしい。
私の中の中国人に対する価値観が、またひとつ崩壊した出来事であった。
(2007.08.16)
営業マンはみな個人事業主
現在、家探しをしているcervejaですが、
言葉が通じないながらも現地の不動産や相手に戦っております。
結構困るのが、電話がかかってきたとき、誰からの電話なのか分からないことです。
どの不動産屋なのか?もそうですが、1つの不動産屋であっても、複数の人が同時に電話をかけてきます。
さらに、それらの人が同じ物件を私に紹介することもあります。
そう、同じ不動産屋といっても、1つの店舗の中で、横の連係はありません。
みんな、歩合制で働いている、いわゆる個人事業主なんです。
だから、「●●不動産の人」とひとくくりにすることはできません。
そういう業界って、少なくないんだとおもいますが、
きっと中国では、固定給よりも歩合給の割合がずっとずっと高く、
同じ店の中でも客の奪い合いが熾烈なんでしょうね・・・。
そんな環境で働くのって、どうなんだろう?
(2007.08.09)
中国で意味をなさない言葉
日本の友達から良く質問される。「北京って、物価安いでしょ。食費ってだいたい1日いくらくらいかかるの?」と。それは、私の食費は一
日平均するといくらくらいかかっているか、ということだが、この「平均」という言葉ほど、中国で意味をなさない言葉も珍しい。大体、人々
が平均を語るとき、それはここのデータが正規分布を描いているということが前提である。たとえば、日本人の20代の平均月収が20万
円・・・と言われたら、8割がたの人間が月収15万〜25万程度の幅に納まっているわけだ。ところが、北京の平均月収が3千元・・と言わ
れても、果たして2500元〜3500元の間の給料をもらっている人が、どれだけいるだろうか。おそらく1割に満たないに違いない。1000元以
下の人も数割いるし、1万元以上の人もたくさん居る。そういうなかで、平均3000元・・という言葉は、どれだけの意味を持つだろう。月収
3000元の人々の生活を覗いても、それはちっとも北京での平均的な生活像ではないのである。
で、冒頭の「食費は平均いくら?」の話題である。朝ごはんはスーパーで買い置きしているものなので、せいぜい5元程度。昼ごはんは
会社の社員食堂か近くの食堂で食べて大体10元前後。ここまでは平均を語る意味がある。だが、問題は夕食である。家の近くのローカ
ル食堂へ行けば10元(150元)、留学生が集まるエリアにいって食べると30元(450円)〜50元(750円)、たまには和食が食べたいな、
と思えば100元(1500円)程度・・っと言ったところだろうか。そしてそれぞれを週に2,3回ずつくらい選択する。恐らく平均すれば50元くらい
なんだろうが、「大体夕食に50元くらいかけてます。」って言ったところで、僕の食生活は見えないし、ましてや北京の物価も見えない。
そこで平均をとることに何の意味があろう。
今でこそ格差社会と叫ばれているものの、基本的には同質社会である日本。そういう国でこそ「平均」という言葉は役に立つ。格差や階
級差があって当たり前の国では、「平均」は、国民の平均像をちっとも映し出していない。 (2007.07.12)
中国人に教えたい言葉
外国に暮らしていると、価値観の違いを痛感することが多い。価値観の相違とは善悪で片付く問題ではないから難しい。ただ言える事
は、お互いの価値観を受け入れられるだけの懐のデカさは持っていたいと思う。
ということで、できるだけ中国人のやることに腹を立てないようにしているが、向こう側はこちらの価値観の理解しようとするつもりがない
ところに問題が生じる。中国人に教えたい言葉、とは、「Time is Money」という考え方だ。あなたの1分の価値と、私の1分の価値は同じ
だ。しかし、あなたが1分で生み出せる価値と私が1分で生み出せる価値は違うかもしれない。その私の1分を簡単に奪う行為は犯罪に近
いと思う。
たとえばタクシー。我々がタクシーを利用する理由は「利便性」ももちろんあるが、タクシーを使うことで「時間を買う」という理由だってあ
る。タクシーの運転手だったら、それくらい理解してほしい。それから、定刻に出発しない乗り物や、定刻に始まらないもろもろの催し物。
遅刻した人にとってはありがたい配慮かもしれないが、定刻に間に合わせてきている多くの人々の時間を奪っていることに、どれだけ罪
の意識を持ってくれているだろうか。
モノは盗むと「カタチ」があるので、ばれるし罪になる。しかし、時間は盗まれた方も意識しなければ気づかないし、もちろん盗んだ方もそ
んな意識はないかもしれない。でも「1000円札は拾うな」と言われるように、時間ってとても貴重なものだと思う。そういう感覚を、中国人
に持って欲しいとは思わないけど、1分1秒を大切にしている人たちがいる、ということは知って欲しい。 (2007.05.07)
スーパーは「高く商品を売る店」
北京には、アメリカ系ウォルマート、フランス系カルフール、そして日系イトーヨーカ堂など、さまざまなスーパーがある。そして、これらの
スーパーは概して、近所にあるちっちゃなスーパーよりも高い。なんでだろう?ずっと疑問に思っていたのだが、知人に話を聞いて、その
謎が解けた。
偽物天国の中国では、店に売っている「コカコーラ」や「サントリー烏龍茶」が本物かどうか、単純に信用することはできない。ブランドを
偽っているだけで、正しい製法で作られているならばまだしも、製造コストを浮かすために、ありえない原材料や方法で商品を作っている
こともあるらしい。以前、日本でも「中国では、排水溝で発酵してできた油が売られている」というニュースが報じられたことがあるが、そう
いった日本では信じられない製法で作られた商品が、普通の商店で売られている《可能性》があるわけだ。
普通の商店やスーパーでは、納品業者が正規の人であるかどうか、正規の製法で製造された商品が納入されているかどうかを厳しく
チェックはしない。外資系のスーパーでは、そういったチェックを厳しくするために、余計なコストがかかってしまう。逆に言えば、「ウォルマ
ートに陳列されている」商品は、それらのチェックをクリアした、一種のステータスを持つこともできるのである。
ということで、外資系のスーパーは、安全を売り物にしているために、現地の商店やスーパーよりも高い。すべてにおいて「自己責任」と
「格差」が存在する社会。買い物をするときに、値段だけでは決められないムズカシさが、中国には存在するのである。 (2007.04.15)
領収書は「買った証拠」ではなく「売った証拠」
中国で、領収書は「発票(ファーピャオ)」という。個人の消費ではなく、会社の用事などで買い物・飲食した場合などは、領収書をもら
う。ところが、領収書を発行したがらない店も結構ある。なぜならば、領収書を発行することは、その店の売上の証拠を残すことになり、頑
張って節税(多分、脱税ではない。)しようと考えている中国商人にとって、領収書を発行することはできるだけ避けたいことらしい。という
ことで、んなもんねえ!と言われることもしばしば。でも、最近はちゃんと言えばちゃんと発行してくれるところがほとんどだとか。10元以上
の消費じゃないとだめだよ!って言われることもあるけど。 (逆に言えば、10元以下でもしっかり領収書をもらおうとする中国人って、ある
意味すごい。) (2007.04.08)
昼間からビールを飲む人たち
お昼ごはん時、団体で中華料理屋にいくと、決まって「ビール飲む?」と聞かれます。周りを見ると、オヤジグループを中心に昼間っから
ビールを飲んでいます。ま、お酒に強い中国人、アルコール度数の低いビールを飲んでも午後の仕事には影響がないのでしょうが、どう
やらここにはもう1つ別の事情があるらしい。それは、水があまりきれいではないため、衛生面で最も安全な飲み物といわれているのが、
実はビールなんだそうです。ビンに入ったジュースもあるにはありますが、どれも甘ったるいジュースばかり。(ペットボトル入りのお茶だっ
て、「加糖」されているものばかり!)無料のお茶があるところもありますが、煮沸しただけの水道水を使っているところが多く、中国人でも
敬遠することもあるようです。ということで、昼間っから安全でさっぱりドリンクのビールを飲んでいる、らしいです。そんな大義名分のもと、
ただ好きで飲んでいる輩も少なくないはずだが・・。 (2007.04.06)
ちょっと変な話
街を歩いていると、「成人保健」と書いた店を良く見かけます。散歩していると5分おきくらいには見かけるんじゃないかと思うくらい、タバコ
屋の次によく目にします。んで、これは何の店かというと、「大人のおもちゃ屋」です。経済的にまだまだ豊かではない一般庶民向けに、こ
んなに普及しているなんて、ちょと中国のそっち方面の事情が気になります。
先日は、ウォルマートのコン○ーム売り場で、カップルが相談しながら商品を選んでいる姿を見かけ、中国はおおらかなんだなあ、と感じ
たのでした。 (2006.11.03)
|