10月の国慶節は一時帰国しようかなとも思っていたが、中国の国慶節に日本のハッピーマンデー連休が重なり、マイレージの無料航空券が取れなかった。
んじゃ、中国国内を観光するとしよう。BUT、中国国内のメジャー観光地へ行ってしまったら、人、人、人ですごいことになってしまう。ということで、山西省出身の友達をつれて、山西の観光名所をめぐることにしました。
山西省って、名前は聞いたことあるけど、どこ? それに、そんな有名な観光地あるの? とお思いの方もいらっしゃるでしょう。山西省は北京の西に位置し、電車で5時間程度、省都の太原と第二の町、大同には北京から飛行機も飛んでいる。そして、省内には雲岡石窟と古都平遥という、2つの世界遺産を抱えている。
出発の数日前に列車のチケットを予約しに行く。国慶節の民族大移動時期なので、難しいだろうな、と思っていたが、案の定第一希望の9月30日、第二希望の9月29日のチケットは取れず、第三希望の10月1日の夜の切符を確保。だけど、座席しか残っていないだろうと思っていたら、なんとB寝台がGETできました。その代わり、帰りの切符は入手できず。帰りはバスの公算大。
出発当日。夜の10時ごろ友人と自宅を出て、路線バスで北京西駅へ。日本の駅弁は旅情をかきたてるアイテムだが、中国の駅弁はオススメできない、ということで、KFCで軽く腹を満たす。(鉄道駅周辺のレストランはどこも高くて不味い。KFCのようなチェーン店を利用するのが無難。)
さて、中国の列車に乗るのは大変・・と思っている方もいるかもしれませんが、北京西駅のような大きなターミナル駅では、出発列車ごとに待合室があてがわれているので、そこでのんびり待てばいい。「座席なし」切符の人はいそいで乗って場所を確保しないといけないので必死だが、普通は指定席なので、改札が始まってもあわてることなく、のんびり移動すればいい。
列車に乗るとき、検札のかわりに、自分の持ってる切符と座席指定のカードと交換する。(写真左) 車掌さんがどこの座席が空いているかを把握するためのなかなか合理的なシステムだ。 さて、B寝台は、三段ベッドがずら〜っと並んでいる。カプセルホテルっぽい。思ったより清潔そうだし、ふとんも枕も置いてある。ただし、いかんせん狭いのと、プライバシー確保のためのカーテン・・なんてものは存在しない。まあ、中国らしいといえば中国らしいか。
私たちは中段のベッドを向かい合わせで確保していたが、結論から言えば中段が正解。上段は狭すぎ、下段は寝たくない人が勝手に座っているので、自分だけの場所!を確保するのが難しそう。
基本、どこでも眠れるcervejaですから、列車の心地よい振動音をBGMに深い眠りに。
翌朝、定刻に大同に到着。中国の電車は遅れる!との認識も、もう古い。案外時間に正確です。朝、というのもあって、まだ10月になったばかりだというのに、かなり寒い。友達に騙されて、冬の上着を持ってきたが、満更でもない感じ。
駅で一応帰りの切符があるか確認するも、やはり売り切れ。友人の親戚に連絡して迎えに来てもらう。しかも、車で。
中国人にとって車は大変高価なもの。当然、その人も車を持ってはいません。でも、こうやって、車が必要なときには知人に借りて、ちゃんと調達してくるのです。日本だったら、万が一のことを考えてか、車の貸し借りなんてあまり簡単にするものじゃないですが、中国ではわりと当たり前のようです。
こうやって、一人ひとりの財産は少なくても、みんなで分け合い、助け合い、生きているのがよくわかります。
個人と個人の線引きがすごーくはっきりしている日本と、その線があいまいな中国。どっちが豊かなんだろうか?とふと考えてしまいます。
さて、その人の車で送られてホテルにチェックイン。まだ朝の7時過ぎでしたが、快くチェックインに応じてくれました。
最近できたホテル、ということでかなりきれいでいい感じ。これで300元(朝食付き)は、さすが中国の物価! 友人はこんな高級ホテルに泊まるのは生まれて初めて!と言っていました。(1泊100元以上のところにはとまったことがないらしい。この夜、バスローブを着て記念撮影をしていました。)
荷物を置いてちょっとゆっくりしたところで、朝食に連れて行ってもらいました。朝8時過ぎいうのに、その店はほぼ満席。山西名物の刀削麺をいただきました。安い!おいしい!幸せ!
親戚の人のお手伝いはここまで。ホテルの前でお礼を言って別れました。
さて、大同観光です。
中国は広い、ということを否が応でも感じさせられます。1つの観光地へ行くのに車を飛ばして1時間とか平気でかかるんです。バスが走っているとはいえ、次のバスがいつ来るかわからない状態。なので、ここは効率的な観光を重視してタクシーをチャーターすることにしました。
流しのタクシーを捕まえて値段交渉。240元くらいらしい。地球の歩き方には300元と書いてあったから、まあまあ良心的な値段か。だけど、100元以上のホテルに泊まったことがない友人にしてみれば、240元は許せません!頑張って交渉して、一度は拒否。別のタクシーを捜そうとするとさっきのタクシーがやってくる。しかもさっきは女性のドライバーだったのだが、今度は旦那らしき男の人が運転。その人と交渉して200元まで下がる。
ところが、交換条件として、
妻と娘は、お前らが行こうとしている懸空寺に行った事がない。一緒に車に乗せてもいいか?
だって。公私混同?日本ではありえない。だが友人はその申し出をすんなり認め、車内5人のなんとも不思議な道中となったのであった。
さすがタクシードライバー、道も良く知ってるし、運転もうまい。家族を乗せてるんだから、無茶な運転もしないだろう。ということで、安全運転で1時間強で懸空寺に到着。
中国の物価から考えると、バカ高い入場料を取られます。大人60元(900円)です。
60元って、今回一緒に旅している友人にとって、時給10時間分です。我々からしてみたら、1万円くらいの感覚?
そこは、中国人。どこからか学生証を2つ(私の分も!)入手していました。それを利用すると一人30元(450円)。さすが! ・・しかし、私は10年以上も前に大学を卒業したのだが・・。しかも、私は日本人だぞ!(ま、言葉を発しない状態で私を日本人と見抜くのは、かなり困難らしい・・・。涙。)
それにしても、なんでこんなところに寺を作ったんでしょうね?
今日は晴天に恵まれた国慶節連休中ということで、べらぼうに高い入場料を取るにもかかわらず、すごい人出です。写真の中で、人が列を作っているのがわかるでしょうか? おかげで、寺の中に入るまでに1時間近くかかってしまいました。ここは、中国のスプラッシュマウンテンか?
寺自体の文化的・歴史的背景はちっともわからずじまい。単純に、アトラクションとして楽しみました。しかも随所に警備員やオヤジがいて、「早くすすみなさい!」とおこられます。
この後、悪路をまたまた1時間ほど走り、本日2つめの観光地である、木塔へ。これも、厳かな感じで山の中にあるのかと思ったら、街中の大通り沿いにありました。
なので、ご飯を食べるところにも事欠かず、木塔のすぐ脇にある食堂(いや、屋台?)で昼食となりました。
この旅の間中、何を食べるかは全部友達が決めてくれました。その分リスクは楽しめませんが、いやあ、楽チン、楽チン。
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