2000年4月3日(月)
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数えるほどの乗客しかいないのに、なぜ夜中の3時に検札に来るのだ。
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そんな妨害工作にもめげず、6時半頃までしっかり寝た。外はもう明るかった。終着駅のバーリまではまだ1時間以上あるが、目が覚めてしまったので、起きて朝の準備をしようと椅子を元に戻し、髪をとかしていると、どやどやと5人組が私のコンパートメントに入ってきた。雰囲気は朝の出勤モード。彼らだけでなく、駅に停まる間隔が一気に短くなり、その度に乗客が増えていく。 しまいには、通路まで乗客でいっぱいになってしまった。
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どうやら、この路線は、終点間際のバーリ周辺では通勤の足として利用されているようだ。予定より20分ほど遅れてバーリ駅についたが、出勤の人は大丈夫なのだろうか?
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今日は、アルベロベロを中心に周辺を鉄道で回る予定なので、ゆったりスケジュール。アルベロベッロへは、ここからSud-Est線という、私鉄列車に乗ることになる。これが、ガイドブックには「2時間に1本しかない」と書かれていたので、時刻表をチェックしに行く。国鉄バーリ駅の一番端のホームだけが、Sud-Est線になっていて、もちろん改札はなく、駅舎がホーム中央に建っているだけだった。そこで時刻表をチェックすると、なんだ、あるじゃないか、1時間に1本以上。でも、注意しないと、2時間以上電車がない時間帯がある。現在の時刻から2時間後の9時28分発に乗ることに決め、バーリの街を歩く。
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駅前から港へ向かって、しばし北上。朝早くてしまってはいるが、整然と区画整理された街道。ルイ・ヴィトンなどの一流ブティックなども軒を連ね、ああ、ここもファッションのイタリアかと思わせる。ところが、大通りを1本越えると、そこから「旧市街地」といわれ、路地裏に迷い込んだような町並みに豹変。城を周囲から眺め、まっすぐ北上、港へ。ここからはギリシャ方面にフェリーが出ている。こんど来るときは、ぜひ乗船してみたいと思いながら、駅へ戻る。
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ホーム中央の駅舎で、アルベロベッロ行きの2等車のチケットを購入。5900リラ。私の他に、2人の日本人がいた(もちろん女性2人組)。機会があったら話し掛けようと思いながらも、きっかけなし。ほどなく列車が入線し、乗り込む。3割程度の乗車率か。
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列車が発車して1時間くらいたったろうか。車窓にトゥルッリらしきものが飛び込んできた。それは、「集落」というよりも、果樹園の中に点在する「倉庫」のようであった。その当たりから、トゥルッリや石垣など、石造建築物が目立つようになる。木の文化の日本とはえらい違いに、新鮮さを感じてしまう。・・ところが、そろそろアルベロベッロに着くだろうというころ、(本当はアルベロベッロの1つ前の駅。)モダンな色彩と作りのマンション群が目に飛び込んできた。街にはぴかぴかの車もあり、ん? 金持ちの別荘地? という感じを受けた。
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切通しを急カーブで通過するとすぐに駅。アルベロベッロ駅だ。ここでほとんどの乗客が下車。半数くらいは観光客のようだ。人通りのとても少ないメインストリートを歩く。すごい風に、坂が多い町で歩きにくい。 |
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